東京共済病院は1930年に東京海軍共済組合病院として誕生しましたが、1950年には国家公務員共済組合連合会に承継され、今日まで90年以上にわたって地域の中核病院としての役割を果たしてまいりました。当院は国家公務員に限らず各診療科の対象となる全ての患者さんに開かれた病院で、地域社会の幅広い医療ニーズにお応えするため、26の診療科と4つの診療センターを中心に、急性期病床、集中治療室(HCU)、地域包括ケア病床、緩和ケア病床からなる350床を運用しております。これまで地域医療支援病院、日本医療機能評価機構認定病院、二次救急医療機関、東京都がん診療連携協力病院、東京都災害拠点連携病院、新型コロナウイルス感染症重点医療機関、感染症診療協力機関などとしての多くの役割を担ってまいりました。
 地域医療では救急医療が求められることはいうまでもありません。しかし、社会全体が高齢化するとともに受診される患者さんにいくつもの合併症が見つかることが多くなり、高度な手術や手技による治療さえできればよいという時代ではなくなっています。そのため、当院では高い専門性が求められる広い分野にスペシャリストを揃え、複数の難治性疾患や慢性疾患を抱える方々に対しても幅広い領域の専門医が院内で密に連携しながら診療にあたることを大きな特徴としています。また、緩和ケア病床や地域包括ケア病床、訪問看護ステーションでは闘病・療養生活がより安心で快適になるようお手伝いさせていただいています。附設の健康医学センターで人間ドックを受診される方については、万一、疾患が発見された場合に迅速に継続診療できる体制としております。
 当院は「患者さん一人ひとりに安全で質の高い医療を提供し、地域の皆さんから信頼される病院をめざす」ことを理念に掲げていますが、医療技術が絶えず進歩しながら国内の医療事情が大きく変遷してゆく中にあって、質の高い安全な専門医療を常に提供させていただけるよう、これまで以上に努力してまいります。
 今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。


2023年7月
国家公務員共済組合連合会 東京共済病院
病院長 七里 眞義