当科について

精神科と心療内科は同じようなものと誤解されていますが、精神科は精神疾患(障害)を対象としているのに対して、心療内科は心身症すなわち身体疾患を対象としているところに根本的な違いがあります。当院では心療内科を開設していましたが、2016年度からは精神科専門医が新たに着任し診療を行っています。歴史的背景から心療内科標榜が残っていましたが、2021年4月からは純粋な精神科となっており、ひきつづき精神科としての機能をより一層強化していくことになります。一般病院の精神科として、外来や入院での診療はもとより、現在最も重要視されている役割が他科との連携によって行われるリエゾンコンサルテーションや緩和ケアです。また、救急車受け入れにも最大限の努力を払っています。


診療対象

主に疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)に定義されている精神および行動の障害にあたるもの。

  • 症状性を含む器質性精神障害(認知症 せん妄 身体疾患に起因する精神症状など)
  • 精神作用物質による精神および行動の障害(アルコール症など)
  • 統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害
  • 気分(感情)障害
  • 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
  • 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(非器質性睡眠障害など)
  • 心理的発達の障害(発達障害 注意欠陥・多動性障害など)
  • 知的障害
など
ほかに睡眠時無呼吸症候群の診療も行います

診療体制

常勤医 精神科専門医1名
公認心理師 1名
(医療社会相談室所属精神保健福祉士2名)
外来診療 毎週水曜日 木曜日 金曜日
入院診療 南館8階病棟を主に責任病床数 6床

当科診療の特徴

内科等との混合一般病床(医療法上の精神病床ではない)での入院医療

説明と同意に基づき、患者さんの任意性を最優先した入院医療となります。
精神保健福祉法による医療保護入院・措置入院などの入院は行いません。


ECT(電気けいれん療法)の活用

麻酔科・手術室の協力のもとで適切にECTを施行する体制を整えており、難治例や緊急性のある症例の対応も可能となっています。


リエゾンチーム活動

身体各科に入院中の患者さんに生じる様々な精神医学的・心理学的問題に対して、多職種で構成されたチームが主治医や病棟看護師と協力して治療・ケアにあたります。


緩和ケア

緩和ケアに精神医学的側面から関与しています。


認知症ケア

認知症ケアチーム活動に協力しています。


メンタルヘルス(産業精神保健)

職場で多く見られるうつ病、適応障害を中心とした精神疾患の治療に加え、精神疾患により休業される患者さんの職場復帰支援、治療と仕事の両立支援、産業医との連携を行ないます。外来治療だけでなく、入院していただいて薬物調整を行なうことができます。さらに、診断確定や適応障害の原因検索を目的とした、2泊3日程度での検査パッケージ(心理検査、頭部画像検査、脳波検査、血液検査等)も用意しています。


当科のモットー

最近の精神科医療にありがちな、安易な診断や薬物療法偏重を避け、高度な先進医療ではなくても、少なくとも適切さを欠いた医療を行わないこと。


受診(初診)までの流れ

予約制ですので電話でご予約をおとりください。
医療連携室直通電話:03-3792-6699 平日8時30分~19時30分